19話 環境対策での流行と、そこにある不易
- 奈良環境知足庵
- 2024年12月11日
- 読了時間: 3分
SNSというソーシャルメディアが、新しい宣伝媒体になっていますね。
今までの環境啓発では、超アナログな直接呼びかけですから、啓発対象の庶民から「嫌われない」よう、無理はしない、我慢ではない「省エネ努力」を説明していました。
しかし、非実践的、空回りの環境啓発であることが、20年、30年もの経験則です。
ただ、政府も国民運動のCOOL CHOICEをデコ活に変えて、「行動変容」、「社会実装」を訴えていますから、これからは、安住の“器”で過ごしていく保障も、薄らぐでしょう。
世の移ろいは、今までの感覚そのものから、脱皮することになるのでしょう。
『チョウの舞うガイア』でも、君野イマさんとミライさんの語らいから、この脱皮が「どの程度可能であるか」をまとめたつもりです。
ただ、『チョウの舞うガイア』での対象は、日々の暮らしに居る人々でしたから、彼女らの「生き方」などを考えるノウハウ(know-how)が、冊子の基本トーンになっています。
一方、『気候変動での生き様(仮)』の対象は、十人十色の大衆ですから、個々のノウハウを別々に見ることは難しくなって、ノウホワット(know-what)で観た人々の「生き様」にしています。
ノウハウの例えでは、交通での脱炭素化の場合、そのノウハウはEV化だけではありませんよね。
循環型社会での3Rの諸々の“流行”と同じように、リデュース・リユース・リサイクルの“不易”。
そうすると、リデュースでは《交通を使わない》、そのような考動で、移動の無い暮らし方での「安心」と「豊かさ」の欲求について、そのノウハウを考えることになりますね。
次に、移動するとしても、環境上で最も効率的な移動の方法と手段、いわゆるモーダルシフトとか、そのようなことを意図した都市づくりやサプライチェーンの構築などが。
三番目が、エコドライブのような「移動体の使い方」について、リユース的に考えて。
四番目には、省エネ的な設備利用やエネルギーの再生化も含まれて、使った後でどうするか、この視点からの使い方というノウハウもあって、情報過多のパンク状態ですから、他の専門家にお任せしましょう。
要は、ノウハウに関してのニーズとシーズのマッチングや、ウオンツまで広げた“流行”は、局所的最適解のピークを求めるものですから、アチコチに合う【正解】が様々あります。
そこで気付くのが、複雑系での局所的最適解の【生き方】は、大域的最適解を“不易”にした鏡、【生き様】に照らしてみることかも知れません。
そして、無数の局所を眺める、鏡を見ているゆとりには、和みもあるでしょう。
そこから、「安心と豊かさ」のより適切な「何?」、より適切な【生き様】を見付けることが出来るのではないでしょうか。
大域的最適解は、遠望・遠景を眺めるゆとりから、局所的な様々での和みを導いてくれると思っています。砂漠の中のオアシスのように。
オアシスが、世の移ろいのどこにあるかは“流行”ですが、オアシスがあることは“不易”と信じて。
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